今注目を集める中古住宅リフォームとは?

具体的なメリット・デメリットと不安要素の回避方法について

 

ほとんどの人の場合、人生の中で一番大きな額の買い物は、自分が住む家を建てる時になるのではないでしょうか。年齢や時期は人それぞれ違いがあれ、「夢のマイホーム」という言葉もある通り、「家を建てる」という決断は、一生に一度の大決心となるものです。

そんな大切な機会であるからこそ、また、その後一生住み続けるものであるからこそ、建てる家は出来る限り自分の好みに合った、自分の要望通りのものにしたい、と思うのが当然ですよね。

かといって、交通の便や周囲の住環境まで考えると、全く自分好みの家を新築で建てるということは、思った以上に大変なことです。ゼロから人が住む家を作り上げていくのですから、それだけ手間も大きくかかりますし、金額もかさんでくることになります。

いくら一生に一度の買い物とは言え、同じように自分の要望を反映したものが手に入るのであれば、出来るだけ安い値段で手に入れたいと感じるのも人として当然の心情です。

そんな世間の声もあってか、近年、中古住宅リフォームという形式で自分の家を持つ方法が少しずつ人気を博しています。

中古住宅リフォームとは、土地を購入してそこに新築の物件を建てるのではなく、既に立っている住宅を中古で購入し、入居前にその物件にリフォームを行い、自分好みに作り変えた上で住む、という形式を指します。

これから持ち家を持つことを考えている方に対しては、非常におすすめしたい方法なのですが、新築の場合に比べて具体的なメリットはいったいどんなものがあるのか?また、中古の住宅を購入することならではの不安などはないのか?と言った点がやはり気になってくるところではないでしょうか。

そこで今回は、そんな中古住宅リフォームについての疑問について、詳しくお答えしたいと思います。

 

 

1.中古住宅リフォームのメリットは?

新築を立てるのではなく、中古住宅を購入しリフォームをする際のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。次にあげることが全てではありませんが、何点かご紹介します。

 

1-1.割安な値段で自分好みの家を作ることが出来る

まず最大のメリットとして挙げられるのが、新築の場合よりもかなりの割安で住宅を購入することが出来るという点です。国土交通省が発表している資料(国土交通省「平成24年度住宅市場動向調査」)によれば、マイホーム購入者の資金総額の平均値は、注文住宅で3614万円、分譲住宅で3597万円となっているのに対し、中古住宅の場合は2192万円という数値になっています。これは、住宅の購入自体に必要な資金において1500万円近い差が出るということです。

対して、欲しい設備や家の規模にもよるものの、一般的に全面リフォームに必要な資金の相場は、500~700万円とされていますから、全面的に大規模なリフォームを行ったとしても、中古住宅を購入するほうが新築に比べて800~1000万円程度安く済むという計算になります。

同じ条件でそれだけ安く済むということは、同じだけの予算でワンランク上の立地条件や広さのある家を手に入れることが出来る可能性もあるという風にも言い換えることが出来ます。この資金面での強みは、中古住宅リフォームという形式を選ぶ理由として非常に大きな部分を占めているのではないでしょうか。

 

1-2.同じ土地の広さでもより広い家が手に入る可能性も

もう一つの大きなメリットとしては、少し条件は限られますが、新築する場合に比べて、中古住宅のリフォームを行う場合、同じ広さの土地に建てた物件であっても、リフォームする場合の方が家内部の床面積を広く確保できる可能性があるということです。

こちらは家の建て替えとリフォームの比較の際によく言われることなのですが、新たに家を建てる場合、その物件の建ぺい率(敷地面積に対する建築面積)や容積率(敷地面積に対する建築物の延床面積)といったものの制限は、家を建てるその時に施行されている建築基準法によって定められている数値に則ることになります。

しかし、中古住宅を購入した場合であれば、その物件は新築された時点での建築基準法に基づいて建設されており、増築を伴わない改築であれば新たに基準を適用しなおす必要がないため、多くの場合現在の基準よりも建ぺい率や容積率を高いままに保つことが出来ます。

これは建築基準法の定める建ぺい率や容積率の規定が年々厳しくなっている傾向にあるため起こることであり、そのため「建て替えを行ったら家が狭くなってしまった」というようなことが度々発生してしまうのですが、中古住宅リフォームという形式で持ち家を手に入れようとする場合、このことは新築する場合と比べてのメリットと成り得ます。

少し裏技的な利点と言えるかもしれませんが、中古住宅を検討する際にはこの点についても注目してみると良いかもしれません。

 

 

2.中古住宅リフォームに不安やデメリットはないの?

中古住宅のリフォームには、もちろんメリットのほかに新築と比べてデメリットもあります。ではどのようなデメリットがあるのでしょうか。

 

2-1.どうしても配置が変えられない部屋が出るケースもある

ここまでは中古住宅リフォームという形式のメリットについてのみ述べてきましたが、やはり新築にも新築のメリットがあり、裏を返せばそれは中古住宅のデメリットということにもなります。まず一つ挙げられるのが、間取りなどの自由度が下がる可能性があるという点です。

いくら自分好みに作り替えることが可能とは言っても、やはりリフォームという形をとる以上、構造上どうしても配置を変更することが出来ない場所などが出てくるケースがあり、それを念頭に置いたうえで間取りなどを考える必要が出てくる場合があります。特に水回りなどでそうした不自由が発生してしまうケースが考えられるため、事前にリフォームを前提とした購入であることをしっかり示したうえで物件の管理者等に問い合わせることが重要になるでしょう。

 

3-2.耐用年数は新築に分がある

また、やはり購入するのが中古の住宅ということになりますので、新築と比べると物件自体や各設備の耐用年数には多少の差が出てくるということもあります。どれくらいの差が出てくるかは購入する物件や行うリフォームの規模によって様々ですが、やはりどうしても新築物件の方が長持ちする傾向にあるというのは事実です。こちらも物件の購入の前にしっかりと問い合わせた上で検討するのが正しい選択でしょう。

 

3-3.非常に稀ながら、リフォーム料金が大きくかさむケースもある

こちらは多くの場合は心配のいらないことなのですが、特に古い物件を購入する場合、稀に断熱や換気と言った家の基本性能が低いまま設計されている場合があり、住んでからそうした不具合に気づいて後悔する、というケースや、そうした基本性能を向上させるためのリフォームに多額の費用がかさんでしまう、というケースが存在します。

万が一にもそうした落とし穴にはまってしまうことがないように、購入前に、「現在建っている住宅がどういう状態なのか?」ということをしっかりと確認しておくことが重要です。リフォームして済むことが前提であっても、必ずリフォーム前の状態を把握しておくべき、ということですね。

 

 

4.まとめ

価格面や条件面での大きなメリットから、近年注目を集め始めている中古住宅のリフォーム。家を持ちたいと考えている方にとっては非常に魅力的な提案の一つとなると思いますが、もちろん中古住宅ならではの不安やデメリットというものもあります。

しかし、そのデメリットの多くは、購入を決める前の確認や検討、あるいは信頼のおけるリフォーム業者などを見つけておくことで回避できるものです。

リフォームを前提とした購入であることをしっかりと示し、かつリフォーム前の住宅の状態についてもしっかりと把握しておくこと。この二点をしっかりと念頭に置いておけば、中古住宅を購入するうえでの不安要素の多くは先に取り除いておくことが可能です。

もちろん自分や家族のライフスタイルに合わせ、様々な選択肢を検討することが最も大切ですが、その中でも一際大きな魅力を持つ選択肢として、中古住宅を購入してのリフォームということを考えてみるのはいかがでしょうか。