家を建てる時は人によって様々な希望があります。しかしあまり意識されない事なのか「この位置にコンセントを用意して欲しい」というご希望を申される方はほとんどいません。ところがこのコンセントの位置が非常に重要であり、後で「ここにコンセントが無い…」という後悔する方が多いのです。

 

家を建てる時に重要な事は数多くありますが、あまり意識されにくい「コンセントの位置」も家作りにおいて重要なのです。今回はこの家を建てる時に意識しておきたいコンセントの位置についてご紹介しますので、これから家を建てる方は理想的な家の「どこにコンセントがあればいいか?」を一度考えて見ましょう。

 

1.コンセントの種類について

コンセントの位置を考えるにあたり、まずはコンセントの種類を把握しましょう。これらのコンセントがどのような家電に必要であるか?また、コンセントがもっと必要になりそうな場合は建築前にその旨を伝えなければ、電気が必要であっても近くにコンセントが無いと言う事が起きてしまい、延長コードを買って対応する事になってしまいます。

 

しかし、延長コードがあるとお年寄りや子供が足を引っ掛けて転倒する原因にもなりかねません。また、コンセントにはガスやテレビの電波を受信する専用コンセントもありますので、これらのコンセントの位置を考えるのも大事です。

 

1-1.コンセント – 100V –

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||の形状をした一番良く見るタイプのコンセントであり、最も必要とされるコンセントです。今や電化製品が沢山あるこの世の中、この100V電源コンセント不足で悩む人もいるほどであり、コンセントの差し込み口が足りないために遠くのコンセントから延長コードで延ばしたり、タコ足配線で増やしたりして対応している方もいるでしょう。また、物置や屋根裏部屋にも掃除をする際に必要である事が多いため、これらの場所にも1つ設置するのがオススメです。同時に「あの場所に無い!」と言う事で後悔をさせてくれやすいコンセントでもあるので、設置位置はしっかりと検討してください。

 

1-2. コンセント – 200V –

差込口がまるで鼻のある人の顔をしたかのような形をしているコンセントであり、主に大型のエアコンや食器洗い乾燥機、IHクッキングヒーター等の電力を大きく必要とする家電には必須と言える電源コンセントです。特にこのコンセントはキッチンや広いリビングに大型のエアコンを設置する時に必要とされます。

 

1-3.テレビコンセント(TVコンセント)

テレビを見るにはテレビ自体に必要な100Vの電源と、テレビの電波を受信するための専用コンセントが必要です。そのため、テレビを見る予定がある場所が家族の集まるリビング以外にも必要な場合は、その旨を伝えなければなりません。また、最近ではCS用のテレビコンセント、さらにオンデマンド放送やインターネットで配信されている映画を見る方向けにLANコンセント付きのコンセントまであります。もしも、CS放送やオンデマンド放送にも興味がある場合は、それらのコンセントも必要である旨を伝えなければ、施工完了後にこれらのコンセントが無いととても不便ですので気をつけましょう。

 

1-4.ガスコンセント

ガスコンセントはガスを使用する器具にガスを供給するためのコンセントです。主な使い道としてはガスファンヒーターを使用する時に必要となります。もしも、ガスファンヒーターを愛用しているのであればどこにあったほうが良いかしっかりと検討してください。

 

1-5.LANコンセント

今やインターネットは各家庭でも必須と呼べるほどの存在となっており、LANコンセントの存在もかなり大きな物となっています。また、LANコンセントはパソコンだけでなく、テレビのオンデマンド放送、ゲーム機もインターネットに接続して世界中のプレイヤーと一緒に遊べる時代となったため、LANコンセントも重要な存在になりつつあります。そのため、LANコンセントが足りない場合、差込口があるところまで線を繋げなければなりませんので、将来的に必要になりそうな場所に設置する事も検討しましょう。

 

2.コンセントの位置について

コンセントの位置というのは設置場所もですが高さも意識しなければなりません。例えば抜き差しを頻繁にする電化製品を使う場合、足元にある電源コンセントだと毎回しゃがまなければなりませんのでとても煩わしいです。逆に胸元ぐらいの高さにあるコンセントであれば抜き差しも容易ですので、毎回しゃがむ必要性がなくなります。ただし、高い位置にコンセントがあると、変に目立ってしまうので来客があった時も想定する事が必要です。

 

2-1.高い位置にあるべきコンセントはエアコン・洗濯機・トラッキング防止用

エアコンのコンセントを差し込む場所がかなり下の位置だったりするとコードが足りない(家庭用エアコンの電源コードはエアコンの設置位置の近くにコンセントがある事を想定しているので長さに余裕があまり無い)ため、基本的には高さ180cm以上の位置に設置するのが望ましいです。そしてトラッキングという聞きなれない言葉が出ましたが、これは埃がコンセントの差込口に溜まる事で発火が起きる可能性がある現象の事です。

 

特に冷蔵庫は電源を滅多に抜く事はありませんので、低い位置にコンセントがあると埃が溜まりやすくなって火災の原因になります。そのため、冷蔵庫の大きさにもよりますが、ファミリー用の大きな冷蔵庫であれば高さ180cm以上の場所にコンセントがあるとトラッキング防止になります。また、洗濯機も水分が飛びやすいため、床から100cmほど高い位置にあるのが理想とされています。

 

2-2.掃除機用に少し高めのコンセント

掃除機を毎日使用する場合は頻繁に抜き差しするのでコンセントの位置は少し高い場所にあると、腰の悪い人はしゃがまなくて良いのでとても楽です。しかし、高い位置にコンセントがあると変に目立つのが気になったり、お客さんが来た時に視線を集めてしまいます。高い位置にコンセントがあるのが不恰好だと感じるのであれば、照明スイッチとコンセントが一体型になっているのがオススメです。これは照明スイッチの蓋を開けると中にコンセントがあり、照明スイッチの高さでコンセントの抜き差しが出来るため、掃除機のように一時的に使う電化製品のコンセントの抜き差しが楽になります。

 

まとめ

家を建てる時に中々意識されにくいコンセントの数と位置ですが、こちらも真剣に考えないと後で「コンセントの数が足りなかった!」「あの位置にコンセントが欲しかった!」という失敗が後を絶ちません。そのため、コンセントの位置についても「将来的にもっと必要になるかもしれない」という場合も想定して、コンセントの位置をしっかりと考えましょう。