リフォームの目的の種類

 

リフォームを考えるのは、家に住み始めて何年か経って、不便に思えることや、設備が古くなったと感じてから、初めて思うことだと思います。

リフォームを考える時に、インターネットや雑誌などに掲載されているリフォームの事例を参考にして、費用の相場を調べようと思いませんか。

しかし、最終的に具体的な完成イメージやリフォームの優先順位をしっかりと持っていないと、インターネットや雑誌などで掲載されている事例と自分が検討している内容に近いプランの比較検討をすることも、おおよその予算を把握するといったこともなかなかできません。

 

また、実際にリフォーム会社などにも明確なリフォームプランを提示できませんし、

リフォーム会社との意思疎通がうまく図れないと、結果的に納得のいかない失敗のリフォームとなってしまいます。

 

リフォームを失敗しないためにも、当たり前ですが、

リフォームの目的をしっかりと把握すること、優先順位をしっかりと持つこと、

また本当にそのリフォームが必要なのか、他に必要な工事はないかも合わせて検討することが大事なのです。

 

リフォームでは、目的が違ってしまえば、似たようなプランに思えても、工事内容が大幅に違い、それに伴い予算が大きく異なってしまいます。

 

リフォームをするのにいいタイミングは

 

リフォームをするいいタイミングとかはあるのでしょうか。

設備が古くなったから、使いづらくて不満に思うから、故障してしまったからなど、リフォームをしようとする理由は様々でしょう。

人は、自分の不満のある箇所へのリフォームには積極的になれますが、古くなったり、故障したりしていても、いまのところ使用はできているからという部分に関してはなかなか積極的になれないものです。

長くその家に住もうと思えば、定期的に古くなったところや故障せいたところを修繕・補強をすることによって結果的に安く、長もちさせることができるのです。

修理や補強を先延ばしにしていると、あとで必要なる工事が大掛かりになってしまい、費用もたくさんかかることになってしまいます。

 

例えば外壁や屋根などは、10年から15年のたつと補修工事をするのが望ましいとされています。

また、浴室は長くても30年に一度は交換、修繕をするといいとされています。

実際に浴室を30年も使用すれば、設備が古くなりすぎてしまいますので、交換を考えるようになると思います。

その他水まわりも20年に一度は交換・見直しをするといいといわれています。

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では、リフォームといっても修繕や交換など目的が違います。

目的の違いでリフォームにどれだけ差が出るのでしょう。

 

リフォームの目的は4種類

 

もともと「リフォーム」という言葉よりも、「増改築」や「修繕」などといった言葉の方が一般的でした。それが今では、設備の交換などの、建物への工事全般を称して「リフォーム」と呼ぶようになりました。また、リフォームによって本来持っている機能以外や外見を変えることを「リノベーション」といいます。

 

リフォームの目的や種類を、次の4つの分類に区分してみました。

l  メンテナンス

l  修理、修繕

l  性能の維持・向上

l  リノベーション

 

リフォームの種類「メンテナンス」

 

メンテナンスは現状の維持管理をすることを言います。

つまり建物を現状維持していくために、トラブルや劣化などを定期的に手入れや改修工事で防止することを意味しています。

 

例えば、屋根や外壁の塗装工事や雨漏り防止工事などが挙げられます。

建物の外壁部分は雨風や暑さ、寒さにさらされているため、手入れを行わず放置していると、壁や屋根でひび割れなどが発生して、そこから建物内部に水が浸入してきます。

そのため腐食など建物の耐久性を著しく低下させてしまいます。

 

メンテナンスは、基本的に建物を長く使うため定期的に必要になります。

そのため建物の大きさや施工範囲の大小によって工事費用が算出されるため、あらかじめ予算の計画がしやすい工事です。

 

リフォームの種類「修理、修繕」

 

修理、修繕はその言葉が意味する通り、建物や住宅設備にトラブルが起きたときに、トラブルを解消するために直す工事のことです。

 

具体例を挙げると、故障した給湯器の修理・交換などのことです。

 

給湯器やエアコンなどといった住宅設備の交換や修理は、家電量販店などで細かい仕様や本体価格、部品価格が明確になっているので、工事費がわかりやすく、他の施工事例などが参考にしやすいです。

 

リフォームの種類「性能の維持・向上」

 

システムキッチンを入れ替えるだけなどのリフォーム工事であれば、大まかに参考事例とあまり変わることは少ないため、予算把握はしやすいと言えます。

 

その時にメーカーのショールームなどで、住宅設備のグレードや費用をしっかりとチェックしておきましょう。ただしそのままの金額がリフォーム費用にならないので注意が必要です。

 

家の設備が古くなってしまったり、不具合が出たりした場合、新しくしたり性能の向上を図ったりする工事のことで、現在リフォームといわれているものの多くはこのような工事を言います。

 

例としては、ずいぶんと古くなったキッチンを、新しい使いやすいシステムキッチンに入れ替える工事や、二重サッシを取り付けて断熱性や防音機能をアップさせるというものがあります。

 

この工事で大きく工事費用に影響があるのが設備の金額となります。

グレードや性能の高い設備を取り付ければ、当然全体の工事費も高くなり、グレードを落とせば、性能のアップ幅も小さくなり、工事費も安くなります。

ただ、実際には設備の費用だけではなく、取り付け費などが加算されますので、工事費はもう少し高くなります。

 

リフォームの種類「リノベーション」

 

リノベーションは、今までの建物に新しい機能を付け加えたり、性能を向上させたりして、建物の付加価値を高めるリフォームを意味します。

 

例えば、家の間取りを変更して、以前より建物を使いやすくしたり、全面リフォームをして、家の耐久性を延ばすと同時に居住性を高めたりするような、工事が、リノベーションといいます。

 

リノベーションでは、単純に住宅設備や建材を入れ替えるとは大きく違い、居住者の生活動線や居住性をよく考え、生活していくことを考えて、設計することが非常に大切になります。

 

最近ではリフォーム済みの中古住宅・中古マンションを「リノベーション物件」などと表記することもありますが、従来のリフォームと同じで住宅設備を入れ替えただけであり、間取りの変更や住宅性能のアップを伴わないものもあります。

「リノベーション」という言葉だけで金額が高くなっており、建物やリフォームを評価するのは控えましょう。

 

リフォームには目的をしっかりと持っているのが大事

 

リフォームの目的によっては雑誌やインターネットに掲載されている事例が参考になったり、ならなかったりすると思います。

 

もちろんほかの事例をみて、費用などが参考にならないからと言っても、ほかの事例を見るのがすべて無駄であるとは言い切れません。

 

他の方のリフォームに対する考え方や捉え方などや、リフォーム会社との打ち合わせのポイントなどを参考にできます。

またそこから自分がリフォームする時に気を付けなければいけない事や、相談するポイントなどを知ることができます。

 

リフォームをする際には、リフォームした目的をしっかりと持っておくことが大事なのです。また、その目的をもとに優先順位をしかりつけておきましょう。